肢体不自由と運転

◆どんな肢体不自由が適性相談の対象になりますか?

特定の条件を合致した肢体不自由(身体障害)を負った方が、自動車免許を取得したり、受傷後に運転を再開させる場合は、免許センター(免許試験場)での特別な手続きが必要です。

特定の条件とは以下のようになります。

①体の一部が麻痺したり、自由に動かなくなったりしたことがある。

②主治医から「適正相談」を受けるように助言を受けた。

但し、単に骨折などで手足が不自由な場合は、適性検査を行うのではなく、骨折が完治するまでの期間、運転を控えれば大丈夫です。

このように、適性検査は、回復が見込めない身体障害に対して行われるのが原則です。

具体的には、脊髄損傷や四肢のいずれかの切断、欠損。関節の可動域の制限などになりますが、そのほか筋力が徐々に低下してゆく病気等も対象になります。

◆どんな検査をしますか?

個別の障害の状況や、都道府県公安委員会の方針などに異なりますが、一般的には、運転シミュレータなどを使って、以下のような検査をします。

①座席への自力での乗降 (例えば車いすから運転席へ、自力で乗降できるかを実際に行ってもらいます)

②ハンドルの適切な操作 (両手、もしくは片手でハンドルをスムーズに、正確に回すことが出来るか?))

③ペダルの適切な操作 (ペダルを足で踏むことが出来るか?迅速にペダルを踏みかえることが出来るか?足での操作が出来ない場合は手動式装置でスムーズな操作が可能か?等)

上記の他にも、ケースによっては視力検査や視野検査を行います。

◆どんな結果が出ますか?

適性検査の結果、免許証に条件が付与されることがあります。また、条件を付すことが困難な体の状態だった場合は、免許証が取り消されることもあります。

免許証の条件とは、よくあるのは「眼鏡使用」という条件です。これと同じように条件が付された場合、その条件を満たした状態で運転しなければならなくなります。

条件には、手動式、左アクセル、旋回装置等の他にも、個人の障害の状態によって様々あり、これらの装置の条件の他にも、車両の条件が付く場合もあります。

下の図は、体のどこに障害があるかによってどんな条件が付くかを表した警察の資料です。