理事長ブログ

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2019年を迎えて...

 理事長の佐藤でございます。

新年あけましておめでとうございます。今年は2年に一度に行われる道路交通法の改正の年であり、年末に改正の試案が公開され、現在パブリックコメントの募集が行われています。

懸案であった高齢ドライバーの事故対策は今回見送られたようで、試案には含まれていませんでした。

現在警察庁では、高齢ドライバーの事故対策として、新しい視野検査(既存の横方向だけでなく上下方向も検査する)の導入や、MCIの方々への対応について議論が進められています。

MCIの方への対応の一つとして、実車試験と新たな限定免許(時間や場所車種などを限定した限定免許証の発行)を検討しています。

今回の改正には含まれませんでしたが、近い将来これらのいずれかの制度が導入されるのではないと考えています。

特に医療関係者にとって、限定免許の導入は大きな影響を与えるだろうと考えられます。

例えば、これまで運転可否の境界に存在する患者などに対して、地域や時間帯、車種を限定すれば免許更新が可能となることが予想されるからです。

では、どのような条件を患者が満たしていれば、限定免許可の判断ができるのか?このような判断は医学の範疇を超える内容であり、医療の混乱はさらに深まるのではないかと危惧しています。

日本のどこでも走ってよい状態の認知機能や身体障害の状態と、地域に限定すれば安全な運転が可能なそれぞれの状態を医学的に評価判断するなど、世界中を探しても誰にもわからないのは自明です。

 

さて、今回の法改正試案では自動運転車に関する内容が入っていますが、自動運転車が自動運転機能を解除した状態で走行することを、つまり自動運転車を人間が運転する状態ですが、このような運転を一部の報道で「手動運転」と呼んでいます。これは、両下肢障害の方が手動装置を使って運転する呼び名「手動運転」と同一で、大変紛らわしく、また誤解を与えかねないと考えています」。試案の中には明確な文言が記載されていませんので、今後、「手動運転」ではない別の言葉を警察庁が自ら考えてほしいと要望しています。

 

参考までにパブリックコメントの募集ページをご紹介いたします。国民であればどなたでも意見を言えます。1月23日まで意見を募集しています。

https://www.npa.go.jp/news/consultation/index.html

 

by 理事長

2019年01月01日

身障ドライバーの高齢化

 理事長の佐藤でございます。

近年、高齢ドライバーの交通事故が大きな社会問題となっており、法改正を含めた様々な対策が実施され、さらに強化する方向性で検討されているようです。

身障ドライバーという観点からみると、健常なドライバーと同じように高齢化が進んでいます。

最近65歳以上の介護保険移行という問題が起こりましたが、65歳を超える障害者が生まれたのはここ1,2年の出来事と言われています。

これは、医療の発達などの恩恵を受けた障害者の第1世代が、ここ1,2年で65歳を迎えていることと関係があるかもしれません。

65歳以上の高齢でなおかつ身障のドライバーは今後増えてゆくことが考えられ、加齢によるハンデと身体障害によるハンデが重複したケースでの安全運転の可能性については、

わが国にとって、また世界的にみても、全くの未知の世界ともいえますが、少なくとも楽観的なイメージを抱くのは困難です。

 

 また、身障ドライバーの高齢化の他にも、高齢になってから身障ドライバーになるケースも増えているように感じます。

特に脳卒中など、比較的高齢になってから発症することが多い病気での運転再開では、高齢者が新たに身障ドライバーになるケースは多いのではないでしょうか?

これらの患者さん方に対して、若者と同様の運転再開を進めてよいものか?医療機関においては熟考することが必要ではと考えています。

また、加齢による筋力低下以外にも、入院等による筋力低下も十分考慮しなければなりません。

 

 高齢ドライバーの交通事故報道の中には、高齢ドライバーマークと身障ドライバーマークが一緒に貼られた事故車が写っている映像を散見します。

 

 身体障害や認知機能障害と加齢の重複。当会が最も注目しているテーマの一つです。

 

 

by 理事長

2018年12月27日

運転リハフォーラム四国を終えて...

 理事長の佐藤でございます。

週末に開催させて頂きました運転リハフォーラムin四国。

香川、高知、愛媛の3か所で実施いたしました。

天候にも恵まれ、貴重な休日であったかと思いますが、多くの方にご参加頂きました。

今回の研修会は、脳卒中後遺症がメインではありましたが、

知的障害や発達障害などの方々の運転についての質問もいただき、うれしい気持ちになりました。

知的障害については、実技よりも学科がネックになることが多く、その点をフォローすることが重要なのですが、わが国では中々進んでいないというのは残念な限りです。

また、発達障害のある人たちの免許取得というのは、日本では全く扱われたことがないのではないか?わたくし自身、発達障害の自動車運転というテーマについて、つい最近考え始めたというのが現状です。

そのような意味も含めて、運転リハフォーラムはとにかく多くの質問が参加者からあり、今まで気づいていなかったテーマを掘り起こす、私自身良い勉強の機会にもなっています。


ちなみに、知的障害については、過去には栃木県の自動車教習所が取り組んでいることを知っているのですが、現状ではどうなっているかわかりません。

その他徳島県の社協が、知的障碍者向けの免許取得のための塾のようなものを運営していましたが、こちらも現在も継続しているのかは残念なながら不明です。

 

なお、知的障害や発達障害にかかる、特別な免許制度はありませんので、健常者と同様の手順で教習を受けることが可能です。

 

参考までに、知的障害者向けの支援を行っていた徳島県の事例を紹介する番組がありますのでご紹介します。(YouTube)

 

by 理事長

2018年11月26日

[注意喚起]医療機関での診断書作成に関するトラブル情報

 理事長の佐藤でございます。

猛暑が終わった9月以降、運転再開や新規免許取得に関する相談が急速に増えています。

すがすがしい秋空の下、誰もが外出したいと思う季節だからなのかもしれません。

 

さて、今年から全国展開している運転リハフォーラムの中でもテーマの一つになっておりますが、

運転再開を希望する患者から相談を受けた場合の医療機関の役割について、

間違った認識が広まっていますので、改めてご説明します。

患者からの相談があった場合の医療機関ができる最初の助言は1点のみ。

「免許センターへ電話をして相談してください」です。

なぜなら、診断書提出の必要性についての決定権は免許センターにあり、医療機関にはありません。

その患者が診断書提出を求められることが明らかであるとわかっている症状であったとしても、医療機関の判断で診断書作成のための評価を独断で行うことは、道路交通法で認められていません。

このような間違った順序で運転評価を行うことで、様々なトラブルが発生し、当会にも、また警察庁等へも相談や抗議が寄せられています。

一定の症状を呈する病気等についての一連の運転免許手続きは、「道路交通法上の運転免許事務手続き」の一環として行われます。

事務手続きである以上、大切なことは内容もさておき、手続きの順番です。

この順番を間違ったことで、運転できるはずの患者の免許が取り消されたり、運転ができない状態の方が免許更新出来たり、さらには患者と医療機関の間で裁判も起きています。

 

患者から運転についての相談を受けたら、

まずは「免許センターへ相談してください」と助言してあげましょう。

 

もっと詳しく知りたいという方は、運転リハフォーラムでお会いしましょう。

 

では~

 

by 理事長

2018年10月28日

ウィンカー移設などの電子系機器の移設について

 理事長の佐藤でございます。

両下肢に障害がある方が使用する手動式の補助装置。

この装置を使う際には、ウィンカーやホーン、ライト、ワイパーなどのスイッチを、手動レバーに移設する必要があります。

片手で常にハンドルを握っている状態ですので、上記のスイッチを運転中に操作するのはかなり厳しいのです。

特に、健常な時代から片手運転をしていた方以外の人たち(初心ドライバーや女性、運転頻度が少なかった方等)にとっては、片手でハンドル操作をすること自体に慣れていませんので、さらにさまざまなスイッチを運転中に操作するのは、注意力が散漫になったり、スイッチの操作に気を取られたりと、安全な運転を阻害する要因になります。

 

しかし、現在、一部の補助装置メーカーでは、これらのスイッチの移設を行えないというところがあるようです。

近年電子化した自動車制御の影響で、簡単な配線変更でスイッチを移設できなくなってきています。

それならばDIYで、という器用な方もいらっしゃるかもしれませんが、お勧めしません。

スイッチはおろか、エンジンすらかからないトラブルに見舞われます。

 

スイッチ類の改造を断られたら、他のメーカーに相談してみましょう。

ケースによっては対応してくれます。

こういうケースでは、自動車販売店に相談するよりも装置メーカーに直接相談するほうが得策です。

なお、特に輸入車の場合は、スイッチ移設や増設などはできないケースがほとんどです。

今後、各装置メーカーのご努力で、スイッチ移設が可能となるよう願っています。

 

これまで手動レバーのスイッチを使っていた方の場合、車両の買い替えに伴って、スイッチ改造ができなくなってしまうと、運転がしにくくなると訴える方が多数のようですので、

車両の買い替えの際は、十分な車種選択が重要です。

 

また、一部の装置メーカーやその代理店では、障害者はウィンカー操作を免除されているから大丈夫、と言ったりするそうですが、そんな法律はありません。注意しましょう。

写真はフジオートホームページより

 

by 理事長

2018年09月10日
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