理事長ブログ

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交通事故捜査の強化

 理事長の佐藤でございます。

2019年から始まった警察の事故捜査の強化について、ここ数カ月事故後に臨時適性検査の受検命令が出たという相談を受けるようになりました。

警察は、交通事故の実況見分などにおいて、病気や障害が事故の原因となっている可能性があると判断した場合、これを専門にした事故捜査部門へ捜査を依頼し、詳細な捜査を行うと発表しています。(人身、物損は問わないようです)

どうやら、実際にこのような捜査が行われ始めているのではないかと考えています。

特に、臨時適性検査を行った履歴がある方が交通事故を起こした場合、改めての臨時適性検査や診断書提出を求められることがあります。

いずれにせよ、軽微な事故や交通違反を繰り返してしまう方は、自動車の運転は止めておくことが賢明です。

また、このような状況で診断書提出や適性検査を受けるように言われた方は、その手続きが完了するまでは、運転はしないでください。万が一事故を起こすとかなりややこしいことになりかねません。

 

 

 

 

by 理事長
2020年01月19日

片手でハンドルを操作するために役立つ道具

 理事長の佐藤でございます。

手動装置ユーザーや片麻痺などの障害のために、片手でハンドルを操作しなければならいケースがあります。

片手でハンドルを操作することは、両手で操作するよりも、より大きな筋力が片側の腕や手に必要となることは容易に想像できます。

また、片手でハンドル操作をすることは、両手で操作をすることとは、根本的に筋力の使い方に違いがあることは、研修会でもお話ししている通りです。

 

健常な頃から右手だけでハンドルを回していた、という方であれば、右手のみのハンドル操作に不都合が出ることはあまりありませんが、左手だけでハンドルを回す経験は、ほとんどの方が経験したことがないと思います。ハンドルを回すという行為は単純な作業ですが、普段行ったことの無い左手だけで行うことは意外と難しいです。特にハンドル操作は、回すという行為とある位置で回すことを停止させ、その位置で保持する、という行為の2つの種類の行為を行いますので、単純に回すということではないことは、普段皆さんも運転の中で経験できると思います。

 

ハンドルを回すとは、

①ハンドルを回す筋力

②回す行為を停止せる筋力

③停止させた位置で保持する筋力

この3つの要素が連続しながら行われる操作です。

運転者の筋力が低下する、または使い慣れない側の腕で操作する場合、①~③のいずれか、またはすべてに影響を及ぼし、適切なハンドル操作を阻害する要因です。

例えば①の場面で筋力が十分に無いと、ある位置までハンドル回す速度(角速度)が遅くなり、結果として、自動車の旋回半径が想定より大きくなります。例えば交差点を左折する場合、左折が終わった時に、センターラインを越えて反対車線へはみ出す、という現象が現れます。このことを十分理解していないと実車評価などにおいて「空間認識異常」などと間違った評価をする可能性があります。

②の場面では、ハンドルを回すことを止めたいとドライバーが考えていても、筋力が低下していれば希望の位置で止めることが出来ず、「余計に切りすぎる」ことが発生します。

③の場面では、ハンドルを保持する筋力が不足すると、腕の疲れとして現れ、①②の操作に影響を及ぼします。

 

適切なハンドル操作において、特に腕と手の筋力は重要(実際には胸部等の筋力も使っています)ですが、長期の入院や利き腕でない方であること、また座位保持バランスなどの影響で、適切な筋力を発揮できないケースは少なくありません。

このようなケースにおいての有効な策は筋力強化に他なりませんが、ドライビンググローブの装着は、ハードウェアを使った簡単な対策として有効です。

ドライビンググローブとは、手のひらとハンドル部の摩擦を上げて、握る力を軽減させる効果があり、握る力を軽減できれば、腕の筋力への負担が軽減され、結果として、少ない筋力を回すという動作に活用することが可能になります。

 

実際にドライビンググローブを使ってみるとわかりますが、ハンドルがすごく軽くなった印象を持つはずです。

健常な方でも装着している方がいますが、片手でハンドルを操作する方に最適な道具です。

インターネットショップなどで多数販売されていますので、是非使ってほしいと思います。

 

 

 

by 理事長
2019年09月21日

消費増税と福祉車両の消費税減免措置

 理事長の佐藤でございます。

10月から値上げとなる消費税。

世の中では、牛丼を持って帰るとどうなるか?

などの議論で盛り上がっているようですが、

実はその陰でひっそり進行しているのが、

福祉車両購入時に適用される、消費税減免制度の廃止。(というか無効化)

この減免措置の意味は、福祉車両には、様々な部品を後から追加で装着しないと、ユーザー乗れなかったり、運転できなかったりすることがあることから、

健常な人よりも、自動車購入費が高くなるので、そこを補填することが目的。

自操式車両や、介護用途などの車が対象です。(適用には様々な条件があります)

この減免制度、以前から中古車屋さんなどは対応してくれないケースが少なくありませんでした。稀に減免措置でトラブルになったり、そういうことは珍しくありませんでした。

なぜ中古車屋さんは消費税減免しないのか?

これは、消費税減免措置は法律上義務ではないからです。

従って、いくらトラブっても、最終的に中古車屋さんの言い分が通ります。

じゃあ、Dで買ったら減免にしてくれるのはなぜ?

まあ、簡単に言えば企業の社会的責任(CSR)や親切。というのが理由だと思います。

こういういい加減な制度が存続していたこと自体驚愕ですが、

これが10月の増税以降、国内自動車メーカー系のDでも減免取りやめに方針転換しています。

以前も書きましたが、この減免分は「損税」と言われていて、政府が補填しているのではなく、販売した企業が負担しているのですね。

なので、中古車屋さんなどで減免販売すると、利益が全部吹っ飛ぶほどの威力です。

これは、Dも一緒で、売ったのに利益ゼロじゃ、企業経営という観点からも問題なわけです。

 

消費税減免措置が空洞化すると、特に低所得の人たちや、障害を持った子供の家族に重く負担がかかるんですね。

特装車扱いなので、形はミニバンでも、値段は相当跳ね上がりますから。

なので、私たちは減免ではなく、購入時の補助を要望しています。

収入や車両価格に制限をかけて、補助率を設けるわけです。

 

自動車税の見直しなどによって、障害のある方への自動車保有平等化措置は、無くなりますから、これで減免もなくなったら、何も残りません。

日本身障運転者支援機構では、この損税問題を改善し、国費で補填するよう以前から国会を通じて働きかけています。

by 理事長
2019年09月05日

所謂「脱着式手動運転装置」の事故事例

 理事長の佐藤でございます。

運転リハフォーラムでも毎回テーマになる「脱着式手動運転装置」

ドライバー本人がその都度車両へ取付できることが、レンタカーユーズやカーシェアリングで有効となると言われております。

しかし、脱着可能である限り、脱落の可能性は排除できません。

また、工具を使わず固定できるよう設計されていることも多く(工具を使って固定する方法になると指定部品の対象となり車検の対象になりますが、工具不要で取付できれば車検の対象になりません。(指定部品外となるため)例えばドリンクホルダーや車内用ごみ箱などは車検の対象外です)強固な固定が確保できているかは未確認です。

 

さらに、手動運転装置を使用するユーザーの多くは車いす利用者になりますが、当事者本人が、足元のペダルスペースに体を潜り込ませて取り付けすることが、身体的に可能かどうか?出来る人は非常に限られてくるのではないでしょうか。製品によっては車種ごとに微妙な調整を行い、何度も付け外しが必要なものもあります。

 

また、ドライバー自身が取り付けることが前提の商品ですので、脱落についての責任は全て取り付けたドライバー本人が負うことにもなりますし、ドライバーが出来ないので同乗者が代わりにつけてあげたら、全ての責任は同乗者が負うことになるかもしれません。

 

これまでも当会にこのような装置を購入された方からの事故相談が入っておりましたが、私自身この目で現場を見たことはありませんでした。

しかし、最近、YouTubeでアクセルペダルから装置が外れ、横転する事故の動画があることを知りました。

今回はメーカー名や動画のリンクを貼りませんでしたが、販売者及び輸入元に対して、事実関係と脱落原因について正式な質問を行ったうえで、その回答を受けてから動画のリンクを貼るかどうか検討したいと思います。

 

 

by 理事長
2019年08月29日

[追記] 半側空間無視と運転可否判断

 理事長の佐藤でございます。

先日公開したブログに書き忘れたことがありましたので改めて追記させて頂きます。

それは何かというと、半側空間無視の影響が現れる運転行動として書いた4つの事例について、

実は半側空間無視ではなく別の要因で同じような運転行動が現れることがあるのです。

この点は実車評価などでも十分注意して評価を行わないと、半側空間無視ではないのに無視があると評価してしまうことになりかねません。

 

まず①②③については、ドライバーの筋力の低下によっても同じような行動が現れることがあります。長期入院の影響や、座位保持不良によるハンドルへの操作力の伝達不良などです。

①②③については、もう一点。右麻痺に多いですが、病前に使ったことの無い左手一本でハンドルを操作することから「慣れていない」ことが影響する場合があります。普段私たちは右手一本でハンドルを操作することは経験している人が多いと思いますが、左手一本でハンドルを操作したことはほとんど一度もないはずです。

また、①②③共通で、旋回グリップを使用している場合は、旋回グリップを外した状態でもう一度試してみて、同じ運転行動が再現するか確かめましょう。旋回グリップというのは、見た目と違って、かなり、慣れが必要な使いにくい道具です。

 

③方向変換などで、操作がおぼつかない、何度も切り返す、ポールに接触するなどのケースは少なくありませんが、車庫入れ下手=空間認識?と考えるのは早計です。

特に座位保持に不安のある片麻痺、脊髄損傷のドライバーは、車庫入れ時に体をねじって後方を見ることに不安を感じます。体が助手席側に倒れてしまう予感がするからです。実際に体を助手席側にねじると、助手席側に倒れる人もたくさんいます。したがって、これらの人たちは、車両両側のサイドミラーを使って車庫入れをしようとします。

しかし、病前には体をねじって直接後部を確認しながら車庫入れしていた人が、急にサイドミラーだけで車庫入れするのはほとんど不可能です。

車庫入れでまごついたりしたときは、ドライバーがどのような体勢でバックしていたのか?また健常な頃はどのようにバックしていたか?確認が必要です。バックが下手=空間認識異常と短絡的に見るのは危険です。

 

④の場合は、健常な頃に乗っていた自家用車と違う車種で評価するときには現れやすいです。そのあたりの確認もした上で評価を行うとよいでしょう。

 

by 理事長
2019年08月26日
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