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[注意喚起]医療機関での診断書作成に関するトラブル情報

 理事長の佐藤でございます。

猛暑が終わった9月以降、運転再開や新規免許取得に関する相談が急速に増えています。

すがすがしい秋空の下、誰もが外出したいと思う季節だからなのかもしれません。

 

さて、今年から全国展開している運転リハフォーラムの中でもテーマの一つになっておりますが、

運転再開を希望する患者から相談を受けた場合の医療機関の役割について、

間違った認識が広まっていますので、改めてご説明します。

患者からの相談があった場合の医療機関ができる最初の助言は1点のみ。

「免許センターへ電話をして相談してください」です。

なぜなら、診断書提出の必要性についての決定権は免許センターにあり、医療機関にはありません。

その患者が診断書提出を求められることが明らかであるとわかっている症状であったとしても、医療機関の判断で診断書作成のための評価を独断で行うことは、道路交通法で認められていません。

このような間違った順序で運転評価を行うことで、様々なトラブルが発生し、当会にも、また警察庁等へも相談や抗議が寄せられています。

一定の症状を呈する病気等についての一連の運転免許手続きは、「道路交通法上の運転免許事務手続き」の一環として行われます。

事務手続きである以上、大切なことは内容もさておき、手続きの順番です。

この順番を間違ったことで、運転できるはずの患者の免許が取り消されたり、運転ができない状態の方が免許更新出来たり、さらには患者と医療機関の間で裁判も起きています。

 

患者から運転についての相談を受けたら、

まずは「免許センターへ相談してください」と助言してあげましょう。

 

もっと詳しく知りたいという方は、運転リハフォーラムでお会いしましょう。

 

では~

 

by 理事長

2018年10月28日

ウィンカー移設などの電子系機器の移設について

 理事長の佐藤でございます。

両下肢に障害がある方が使用する手動式の補助装置。

この装置を使う際には、ウィンカーやホーン、ライト、ワイパーなどのスイッチを、手動レバーに移設する必要があります。

片手で常にハンドルを握っている状態ですので、上記のスイッチを運転中に操作するのはかなり厳しいのです。

特に、健常な時代から片手運転をしていた方以外の人たち(初心ドライバーや女性、運転頻度が少なかった方等)にとっては、片手でハンドル操作をすること自体に慣れていませんので、さらにさまざまなスイッチを運転中に操作するのは、注意力が散漫になったり、スイッチの操作に気を取られたりと、安全な運転を阻害する要因になります。

 

しかし、現在、一部の補助装置メーカーでは、これらのスイッチの移設を行えないというところがあるようです。

近年電子化した自動車制御の影響で、簡単な配線変更でスイッチを移設できなくなってきています。

それならばDIYで、という器用な方もいらっしゃるかもしれませんが、お勧めしません。

スイッチはおろか、エンジンすらかからないトラブルに見舞われます。

 

スイッチ類の改造を断られたら、他のメーカーに相談してみましょう。

ケースによっては対応してくれます。

こういうケースでは、自動車販売店に相談するよりも装置メーカーに直接相談するほうが得策です。

なお、特に輸入車の場合は、スイッチ移設や増設などはできないケースがほとんどです。

今後、各装置メーカーのご努力で、スイッチ移設が可能となるよう願っています。

 

これまで手動レバーのスイッチを使っていた方の場合、車両の買い替えに伴って、スイッチ改造ができなくなってしまうと、運転がしにくくなると訴える方が多数のようですので、

車両の買い替えの際は、十分な車種選択が重要です。

 

また、一部の装置メーカーやその代理店では、障害者はウィンカー操作を免除されているから大丈夫、と言ったりするそうですが、そんな法律はありません。注意しましょう。

写真はフジオートホームページより

 

by 理事長

2018年09月10日

[注意喚起情報]

 理事長の佐藤でございます。

ここ1年ほど、脱着式手動式装置に関するトラブル相談が多発しています。利用者の方へ注意喚起いたします。

走行中に装置が外れる。
簡易に脱着できることから、走行中に外れてしまうトラブル相談が来ています。特に足元のペダルとの接合は、足元に潜り込むようにして取り付けなくてはならず、両下肢障碍者には厳しい姿勢保持が必要で、強固な固定ができないことがあるようです。なお、装置の取り付けに関するトラブルなどが発生した場合は、速やかに消費者センターへ相談しましょう。
座席からの転倒
ハンドルコラム部分に吊り下げて固定する構造のため、一般的な手動運転装置のように、座位保持のための手すりの役目を果たせません。障害の程度や運転歴など十分に考慮して使用する必要があります。
免許取得不能という誤解
「地元の教習所に行ったら脱着式の運転装置で運転するよう指導を受けたが、うまく運転できなかったところ、運転免許を取ることはできない」と助言を受けた。など自動車教習所に通う複数の方から相談が来ています。脱着式は廉価な機器であると同時に、個々の障害に合わせることができない難点を持っています。障害の状態によっては、既存の固定式装置で十分免許取得可能なケースがあります。この相談をされた複数の方も、他の教習所へ移って立派に免許取得を果たしています。脱着式で運転できない方=免許取得不能、というのは誤解ですので、そのような助言はしないよう、自動車教習所に要請します。

 

 

by 理事長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年09月08日

日本リハビリテーション工学協会カンファレンスにて発表

 理事長の佐藤でございます。

8月29日~31日まで、神奈川県厚木市で行われた日本リハビリテーション工学協会のカンファレンスにて、2点の論文発表を行いました。

このカンファレンスには、2年ほど前に福祉機器コンテストに出品した経験がありまして、その時に出品した「自動車用座位保持クッションユニバケ」が優秀賞を頂いたこともあります。

今回は、「身障ドライバー用レース車両の開発」と「脳卒中後遺症の運転再開における運転補助装置等の工学的アプローチの必要性」という2題を発表してきました。

わたくしのような、アカデミズムとは無縁の人間にとって、このような発表を経験できることは、大変勉強になります。

論文の内容は年末に本サイト上で公開する予定です。

 

 

by 理事長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年09月01日

追記)言語・聴覚などのコミュニケーション障害と救護義務

 理事長の佐藤でございます。

本日の東京新聞に、警察庁が音声を用いない110番通報用のシステムを導入する、と記事が出ていました。

当会では、聴覚障害者の2種免許取得が解禁された時点から、継続的に音声が不要な通報システムを、早期に導入するよう、国会等を通じて働きかけを行ってきました。

結果として、導入が決まったことは、自動車運転に留まらず、聴覚や言語の障害のある人たちの安全な暮らしに貢献するだろうと思います。

警視庁と大阪府警では、数年前からスマホアプリを使った、チャット形式の通信アプリを運用しており、

今回のシステムも同様のものになるではと想像できます。

実際の導入までは数年かかるとは思いますが、導入が待ち遠しい気持ちでいます。

 

導入までの期間は、これまで通り、メールによる通報が重要です。警察管轄エリアごとに個別の事前登録が必要であるなど、面倒な手続きになりますが、言語や聴覚の障害をお持ちのドライバーは、必ず登録することが大切であり、運転者の責任です。

 

by 理事長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年08月21日

言語・聴覚などのコミュニケーション障害と救護義務

 理事長の佐藤でございます。

稀ではありますが、一部の医療機関で、脳卒中後遺症などによる言語障害のある方の、自動車運転の可否評価において、自動車運転者に課せられている「救護義務」が遂行できないという理由で、運転不可の診断をする事例があるようです。

救護義務とは、全てのドライバーに対して課せられている法的義務で、事故発生時にけが人などが発生している場合には、けが人を救護し、2次被害が発生しないように、現場付近の交通を整理する、などが該当するといわれていますが、最低限、警察や消防に通報することを満たせれば、救護義務違反に問われることはないというのが警察庁の見解です。

救護義務違反が問われる多くのケースが、いわゆる「ひき逃げ」の場合であり、コミュニケーション障害が、直接救護義務違反に問われることはないないといわれています。

 

では、言語障害や聴覚障害で、声による電話での通報ができない場合に、どのような通報手段があるかといいますと、都道府県警によって対応が異なりますが、まずは専用メールアドレス宛にメールで通報する方法があります。そのほかには、チャットや専用通報アプリ(警視庁・大阪府警)などでの通報手段が用意されています。

これらは元々、聴覚障害向けのサービスでしたが、声のやり取りに難のある言語障害のある方々にも利用可能です。

このように、言語障害や聴覚障害があっても、警察や消防に通報する手段は用意されており「電話での音声通話ができない」という理由だけで運転不可の判断を行うことは間違っていますのでご注意ください。

 

このような患者に対しては、運転するにあたっては、地元の警察に問い合わせて通報手段を確認して、万が一の事故が発生した時には迅速に通報できるよう準備することを助言してあげてください。

ほとんどの都道府県警察では、事前の登録が必要になっており、登録すると、専用メールアドレスやアプリのダウンロード方法などを提供してくれる、という手続きになっています。

事故が起きてから手続きなど出来ませんので、必ず事前に登録することが大切ですし、ぜひ医療機関からも患者へ情報提供をして欲しいと当会は希望しています。

なお、車で遠隔地で移動する場合は、それぞれ通過する都道府県に対して個別に登録する必要があり、かなり面倒であり現実的な手続きではありません。近年、聴覚障害者の2種免許取得が解禁されたこともあり、当会では、全国統一で運用可能なコミュニケーション障害への通報体制の確立を、国会を通じて警察庁に要請しています。

 

by 理事長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年07月22日

運転リハフォーラム北海道を終えて

 理事長の佐藤でございます。

先週の土、日、月の3日間。北海道の帯広、札幌、そして函館の3会場で、運転リハフォーラム北海道を開催させて頂きました。

3日間で60数名の医療職の皆様と教習指導員の皆様にお集まりいただきました。

貴重な3連休を浪費させては申し訳ないと思いながら、自分なりに精一杯のお話をさせて頂きました。

すでに当会が主催する各種の勉強会には全国で1500名超の医療職の皆様にご参加頂いております。

今年初頭の東北3県、そして今回の北海道と、病院数などを勘案すれば行くことを躊躇せざるを得ないエリアではありますが、

そのような地域だからこそ、運転の需要は高く、途方に暮れている患者と病院に対して、少しでもお役に立てればという想いのみで決行した次第です。

しかしながら予想以上の人数の皆様にご参加頂き、なんとか交通費と会場費を賄うことができました。ありがとうございました。

 

さて、帯広会場でもお話しさせて頂きましたが、今の医療機関は運転リハに関して、

「どこから来て、今はどこなのか?そしてどこへ行けばいいのか?わからない、砂漠の真ん中で立ち尽くす迷い人」のように映ります。

どこから手を付ければよいか、皆目見当もつかないという姿です。

そんな時、何が手掛かりなるでしょうか?私は歴史、つまり足跡を頼りにするほかない、と感じています。

運転リハにとって「足跡」とは何なのか?

それは、昭和35年以降、数えきれない障害者が自動車運転を通じて経験してきた歴史といえます。

歴史=足跡を振り返ることで、今の自分がどこから来て、どこへ行けばよいのか?少なくともどちらが前でどちらが後ろなのかはわかります。

ここから先のお話は、帯広、札幌、函館のすべての会場でお話した通りです。

誰が運転ができて、誰が運転できないのか?についての基準とは、現時点だけを切り取っても、発見することはできません。

「時間=歴史」という要素が不可欠です。

例えば高血圧の基準値は、現在だけを切り取っても基準は見つからないでしょう。歴史的な時間軸の中で、この血圧の方は病気になり、この血圧ならば健康を維持できた、という経験を知らなければならないのと同じです。

それがわからなければ、基準とは名ばかりで、有名無実なものでしかありません。

私が運転リハフォーラムで医療職ほかの皆様に伝えたいことは、このことに尽きます。

これまでの約60年間に、障害者はどのようにして運転をしてきたのか?どのように安全を確保してきたのか?どんな豊かな人生を運転を通じて手に入れ、同時に最悪の不幸を経験してきたのか?また、どのように運転という価値を維持してきたのか?

私は北海道の3日間を通じて、皆さんにお伝えしたかったことはこのことですし、それは現代において私にしか話すことができない内容です。

 

運転リハフォーラム北海道にご参加頂いた方の中から、本当の意味での運転支援の方法を見つけて下さることを切に願っております。

 

by 理事長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年07月18日

続報]免許センターの電話がつながらない件,その後

 理事長の佐藤でございます。

 

前回のブログで、免許センターの代表電話が混雑のため繋がりにくくなっている件についてお話ししましたが、

6月13日付の警察庁の通達で、その改善に取り組むよう全国の関係個所へ通知がなされました。

内容を読んでみると、一定の進捗は認められますが、

繋がりにくさが大きいので、効果が表れるのは少しずつではないか?と感じました。

しかし、このような件について、警察庁が問題意識を共有してくださり、対策に乗り出すことは大変ありがたいことではあります。

当会でも、再三この件についての要望を出しておりました。

私たちの声が直接行政を動かすことはありませんが、

声を上げることの重要性は、やはり高いと思います。

 

私たちはこれからも、身障者や高齢者をメインに、安全な自動車運転と公平な免許行政の実現に向けて、皆様からの声を届けてゆきたいと思っています。

 

本件の通達については下のボタンからご覧いただけます。

 

 

by 理事長

 

 

 

 

 

 

 

2018年06月16日

免許センターの電話がつながらない件

 理事長の佐藤でございます。

 今回は免許センター(免許試験場)の電話がつながりにくい件について、お話ししたいと思います。

病気や障害で運転不安がある場合の相談や、臨時適性検査の予約などで、免許センターに電話をかけた経験がある方なら、とにかく電話がつながらないことにイライラしたことがあるのではないでしょうか?

これは、近年行われた高齢ドライバーの法改正の影響などで、免許センターへの問い合わせが増えているためと言われています。

実際に、警察庁の方にお話を伺うと、この現象は全国的なものであり、特に都市部の免許センターではひどい状態であることを認識されています。

都市部、当会が所在する東京都の場合、丸1日電話をし続けたが、結局つながらかったと、当会に相談される方もいらっしゃいます。

先日愛知の免許センターの方とお話ししましたが、やはり東京と変わらない状況だそうです。

当会では、先日、国会議員らと一緒に、この件について改善を促す要望を出したところです。

あまりにつながらい状況が続くと、本来適正検査が必要な方に対して適切な説明をする機会を失いますし、適性検査対象者の捕捉という、免許センターの大事や役割が果たせないのです。

当会には「この電話番号はそもそも間違った番号なのではないか?」と番号を問い合わせてくるケースもあります。

対応策として、①音声ガイダンス等で説明したうえで、順番につながるまでお待ちいただく。などのシステムの導入や、②免許センター以外で「適正相談」を受けられるような体制づくり。を提案しています。

 

なお、適正相談であれば最寄りの警察署でもある程度対応してくださいますが、最終的には免許センターへ電話をして、適正相談をしないといけないのは同じです。

 

電話がつながらいことと同時に、臨時適性検査の予約も、すぐには取れない状況が続いています。

東京では、予約しても3か月後。という状況もあるようです。

免許には更新期限がありますので、早めの相談や予約が大切です。

 

 

by 理事長

 

 

 

 

 

 

 

2018年06月07日

日産リーフ新型は左アクセルドライバーを救うか?

 理事長の佐藤でございます。

右下肢に障害があるドライバーの場合、麻痺や可動域・筋力などを勘案して、「左アクセル装置等限定」の免許条件が付された上で、運転免許が交付されることがあります。

ただ、左アクセル装置でのアクセル操作は難易度が高く、そう簡単に以前のように運転できることはありません。

当会のドライビングレッスンでも、脳卒中後遺症による右片麻痺の方からのお申し込みは多くいただいています。

実際にレッスンを行ってみると、初回レッスン120分間中で、少なくとも1回はペダルの踏み間違いを起こします。

レッスンを受けた方の中には、受講前に自分一人で運転してみたところ、ペダル操作が上手くできずに、衝突事故で全損。という方も何人かいらっしゃいました。

こういう方の多くが、「左アクセル装置の操作は難しい」ということを知らなかった。また誰からも教えてもらわなかった、と言っています。

 

左アクセル装置への慣れは、例えれば「右利きの方が、左手で箸を以前と同じように使う」ことに似ています。

要するにそう簡単に会得できるものではなく、年齢が上がったり、右麻痺+認知機能の低下などが重複しているドライバーは、慣熟にはさらに困難が伴います。

以前に運転された経験のある方ならお分かりかと思いますが、ペダル操作は無意識に出来て当然です。

左アクセルに慣れない期間は、常に足、そしてペダル操作に意識を向けていなければ運転できません。

この状態で運転できたとしても、ペダルに意識が向いてしまうことで、今度は運転に必要な注意力がそがれてしまうリスクが増えます。

たとえば、信号や歩行者、併走する車やバイクなどへの注意が疎かになってしまう方はレッスンをしていても少なくありません。

 

このようにかなり難易度が高い左アクセルですが、日産自動車が先日発売した新型リーフには、アクセルペダルだけでスタートから停止まで制御できる「e-ペダル」という機構が装備されています。

このe-ペダルならば、アクセルとブレーキの踏み換えが不要になりますので、左アクセルに改造しても、踏み間違いなどのミスを防ぐ効果が高いと考えています。

先日、実際に新型リーフを試乗してきましたが、通常の一般公道での走行なら、ブレーキペダルは踏む必要がありませんでした。

しかも、e-ペダルへの操作上の違和感(使いづらい)がなく、だれでも即座に操作可能です。

もし、これから左アクセルでの運転をスタートさせようと考えている。すでに運転をしているが車の買い替えを考えているようでしたら、その選択肢に是非新型リーフを入れてほしいと思っています。

なお、購入に当たっては何点か注意事項があります。

 

① e-ペダルは新型リーフ以外にも他の車種にも装着されているそうですが、必ず新型リーフを選択してほしいです。(e-ペダルの名前は同じでも、他の車種では仕様が違うようです。

 

② 新型リーフには「*1サポカー」の設定があります。サポカーにはさまざまな種類がありますので「サポカーSワイド」を選択しましょう。


③ 新型リーフは電気自動車です。

 

④ 高齢者の場合、車種を変更すると新しい車の運転に慣れることが出来ないケースがありますので、買い替えはお勧めしません。


  *1 サポカーとは、自動ブレーキや車線逸脱警報などの先進安全技術が搭載されている自動車です。

 

by 理事長

 

 

 

 

 

 

 

2018年06月03日

日本安全運転医療研究会での発表原稿

 理事長の佐藤でございます。

第2回日本安全運転医療研究会で発表を行いました。テーマはドライビングレッスン事業の紹介でした。

当日、運営のミスで動画をうまく再生することができず、発表の制限時間内に、全ての内容をご聴講の皆様にお伝えすることができませんでした。

大変残念な想いを持っておりまして、ご聴講の皆様におかれましても、よく理解できなかったのではないか?と危惧しています。

そこで、当日の予定原稿をPDFで公開いたします。

パワポ資料は、非公開とさせて頂き、原稿のみで恐縮ではございますが、ご興味のある方に、是非お読みいただければと思っています。

なお、本原稿は、予告なく削除することがありますことと、転載、無断引用はご遠慮頂きますことをご了承ください。

ご不明な点や、さらに詳細をお知りになりたい方等、いらっしゃいましたらご遠慮なくお問い合わせください。

また、動画部分の詳細について検討する勉強会を2月中旬に東北3県で行います。こちらもご興味がございましたら是非ご参加ください。

 

病気や障害のある方の安全な自動車運転にご興味を頂き、また日々実現へ向けて取り組まれている全ての医療従事者、教習所指導員、その他ご関係者に、心からの敬意を表します。


発表資料PDF

 

 

2018年01月21日

運転リハを担うのは誰なのか?

 当会が主催した「運転リハフォーラム2017」が無事に終了し、全国各地から約80名の医療従事者、教習所指導員、行政機関スタッフの方々にご参加いただきました。ご参加くださった皆様へはご遠方より大変なご足労をお掛けしつつお集まり頂きましたことへ、心からお礼を申し上げます。会場でご案内させて頂きました通り、この勉強会の参加費は全額来年開始予定のシミュレータシェア事業へ充当させて頂きます。

 さて、このフォーラムに向けて、4時間分の資料作りに取り組んだ8月でしたが、資料を作りながら個人的に考えたことがあります。それは、運転リハは本来どこが担うべきなのか?です。運転リハと一口に言っても、障害の部位や程度、病気の種類それぞれへの個別対応、能力評価や運転訓練など、患者さんの安全運転を実現しようとすれば、とてつもない仕事量、設備、体制が必要です。これまで、運転リハを担ってきたのは都道府県の公立リハセンターでした。今でも肢体不自由がメインになると思いますが、その役割を果たされています。しかし、医療点数等の制度の改悪や、患者の増大、免許制度の変更などによって、医療機関が担わなければならない仕事量とそれぞれのファクトごとの専門性、施設などなど、一医療機関が行うのは現実的に不可能ではないか?こう感じているところです。

 運転免許どころか、ADLすら完全に達成することが出来ずに退院を余儀なくされる患者さんも多いと噂ではありますが聞くこともある今の医療、リハビリの国レベルでの体制は、限界にきているのではないか?そんな状況の中で懸命に患者さんのことを想いつつ仕事に没頭されている医療従事者の皆さんに対して、運転リハまで押し付けるのは困難ではないのか、と感じています。

 そこで、それならば、医療機関に代わって担えるところはどこなのか?と自問してみますが、思いつく策は今のところありません。ただ、ヒントとなりうるアイデアはいくつか頭の中にあります。まずは、医療機関とは少々異なりますが近年増えて来た民間のリハビリ施設です。自費診療という事のようですが、リハビリにおいて病院では手の届かない部分を埋めてくれる存在ではあるようです。こういった施設が、退院後に運転リハの役割の一部を担うことの可能性はあるのじゃないか。と考えています。そして、次に運転補助装置のメーカーです。装置を作り販売するメーカーですから、装置の使い方を教えたり練習の場を提供することはある意味で企業の義務ではないか、と考えていますが、現在、そのような取り組みを具体的に行っている企業はありません。障害者が免許を取れるようになった昭和35年ころには、装置メーカーが教習施設を併設していたことがあると聞いています。そのような体制が今後新たに出来上がれば、医療機関の負担も減り、より安全な自動車運転を患者に提供できるのではないか、と考えていますし、メーカーには期待をしています。次に自動車販売店の役割です。販売店はこれまで自動車を販売することのみを仕事にしてきましたが、昨今の高齢ドライバー問題もあり、今後は安全運転を提供できる付加価値を自動車販売店がどう提供できるか?が社会的に問われてゆくのではないかと考えています。

 聞いた話ですが、かなり昔のことですが、東京都内の免許センター周辺に、免許センターへ提出する診断書作成のためだけの病院があったそうです。今は無いそうですが、そういった病院も近々再来するかもしれません。

 いくつかのアイデアを書きましたが、すぐにどうなるというものではないので、現在困っている医療従事者の方や患者さんにはあまり役立つ情報ではないと思いますが、個々の医療機関や医療従事者の取り組みと同時に、大きな枠組みでの体制の構築が必須なのではないか。そのために当会は何が出来るのか?資料を作りながらそんなことを考えていました。

 

2017年09月02日

ドライビングレッスン事業の意義

当会が行っている当事者向けの支援事業に「ドライビングレッスン事業」があります。

病気や障害を負った後に運転を再開したいけれど、運転に不安があるという方を対象に、ご自身の自家用車を使ってレッスンをするサービスです。

健常な方であれば、出張教習や教習所のペーパードライバー教習などを受けることが出来ますが、障害があると断られてしまうことがほとんどです。

そこで、当会では断られてしまうような方を対象に、レッスンをお引き受けしています。

 

具体的には、障害者用の補助装置を初めて使う方や、高次脳機能障害等の認知機能障害の方が参加者のほとんどを占めています。

まだ事業を開始して1年ほどですが20数名の方がレッスンを受けて下さいました。

このレッスンは、免許センターの臨時適性検査に合格したのちに行います。

医療機関などから運転能力評価目的でレッスンをしてほしいというご要望がありますが、法律的にも公道を走るのは微妙ですので、残寝ながらお引き受けしていません。

 

さて、このレッスンはわたくし理事長が専任で行っていまして、20数名の全ての方の助手席に座っています。

20数名のほぼ全員が、脳卒中等の後遺症をお持ちの方で、片麻痺と高次脳機能障害のある方です。

 

この事業の経験から、認知機能障害のある方が、安全な運転を実現するために、運転の練習は不可欠であると確信しています。

医療機関が正しい能力評価を行ったとしても、その方が安全に運転できるかどうかは、その後の練習とアドバイスにかかっていると思っています。

 

私たちの会に当事者から事故の相談があります。はっきりした統計はなく、あくまで印象でしかありませんが、

病気や障害で臨時適性検査を行った多くのドライバーが、運転再開直後に事故(規模の大小はあると思います)を起こしている印象を抱いています。

そして、そのような事故の様子を当事者から伺っていると、事前の練習や適切なアドバイスがあれば防げたのではないか?というケースが多いのです。

特に左アクセル装置を使うケースや認知機能の障害や低下があるケースでは多いと感じます。

これらの方も医師の診断書を免許センターへ提出された、適正な手続きが完了している方々です。

 

医療機関が病院外の運転という作業に直接関与することはとてもできない相談だと思います。

運転可の診断はでたけれど、「この患者さんは本当に安全な運転が出来るだろうか?」と不安をお持ちの医療従事者は大勢おります。

そんなケースがありましたら、是非当会のドライビングレッスン事業を患者様にご紹介頂ければと願っています。

また、遠方で中々行くことが難しい地域の場合であれば、当会が発行している「自動車運転ガイドブック」を患者さんに渡して、安全な運転のための留意点などを、知ってい頂くよう、院内でご検討頂ければと思っています。

 

 

 

 

 

2017年07月31日

ブログをはじめます

日本身障運転者支援機構の佐藤です。スマホとPCの両方で最適化するホームページへ移行した記念に、これから不定期ですが病気や障害のある方の自動車運転をテーマにした、ブログを書いてゆこうと思います。このブログの内容はあくまで私見ですので、会の活動の方向性と必ずしもリンクしないこともありますのでご容赦ください。

2017年05月08日

認知症診断費用の助成制度

3月に改正された道路交通法では、75歳以上のドライバーが認知症の有無について診断書提出命令を受ける方の急増が想定されていますが、

厚労省は当初その診断費用は自費診療となると見解を示していました。

しかし、施行直前に日本医師会等の働きかけによって、通常の保険診療の対象となる旨を発表しました。

保険診療となること自体は歓迎されるべきことですが、問題なのは、診断書提出命令を受ける人が実際に認知症であると診断される割合は約30%。

7割の人は、「認知症でない」という診断を受けるために診療を受けなければなりません。

一般的に認知症の診断は1~2万円の医療費自己負担で受診可能だそうですが、免許更新のための追加費用となってしまうことに変わりはありません。

群馬県では、「認知症の早期発見早期治療」という医学的・社会福祉的な発想を利用して、診断書提出命令に係る診断費用(医療費)を助成する制度を始めるそうです。

このような制度が全国各地で展開されることを私たちは望んでいます。

http://www.asahi.com/articles/ASK2D15GGK2CUHNB00J.html 朝日新聞デジタル2017年2月15日記事

 

2017年05月06日