ドライビングレッスン事業の意義

当会が行っている当事者向けの支援事業に「ドライビングレッスン事業」があります。

病気や障害を負った後に運転を再開したいけれど、運転に不安があるという方を対象に、ご自身の自家用車を使ってレッスンをするサービスです。

健常な方であれば、出張教習や教習所のペーパードライバー教習などを受けることが出来ますが、障害があると断られてしまうことがほとんどです。

そこで、当会では断られてしまうような方を対象に、レッスンをお引き受けしています。

 

具体的には、障害者用の補助装置を初めて使う方や、高次脳機能障害等の認知機能障害の方が参加者のほとんどを占めています。

まだ事業を開始して1年ほどですが20数名の方がレッスンを受けて下さいました。

このレッスンは、免許センターの臨時適性検査に合格したのちに行います。

医療機関などから運転能力評価目的でレッスンをしてほしいというご要望がありますが、法律的にも公道を走るのは微妙ですので、残寝ながらお引き受けしていません。

 

さて、このレッスンはわたくし理事長が専任で行っていまして、20数名の全ての方の助手席に座っています。

20数名のほぼ全員が、脳卒中等の後遺症をお持ちの方で、片麻痺と高次脳機能障害のある方です。

 

この事業の経験から、認知機能障害のある方が、安全な運転を実現するために、運転の練習は不可欠であると確信しています。

医療機関が正しい能力評価を行ったとしても、その方が安全に運転できるかどうかは、その後の練習とアドバイスにかかっていると思っています。

 

私たちの会に当事者から事故の相談があります。はっきりした統計はなく、あくまで印象でしかありませんが、

病気や障害で臨時適性検査を行った多くのドライバーが、運転再開直後に事故(規模の大小はあると思います)を起こしている印象を抱いています。

そして、そのような事故の様子を当事者から伺っていると、事前の練習や適切なアドバイスがあれば防げたのではないか?というケースが多いのです。

特に左アクセル装置を使うケースや認知機能の障害や低下があるケースでは多いと感じます。

これらの方も医師の診断書を免許センターへ提出された、適正な手続きが完了している方々です。

 

医療機関が病院外の運転という作業に直接関与することはとてもできない相談だと思います。

運転可の診断はでたけれど、「この患者さんは本当に安全な運転が出来るだろうか?」と不安をお持ちの医療従事者は大勢おります。

そんなケースがありましたら、是非当会のドライビングレッスン事業を患者様にご紹介頂ければと願っています。

また、遠方で中々行くことが難しい地域の場合であれば、当会が発行している「自動車運転ガイドブック」を患者さんに渡して、安全な運転のための留意点などを、知ってい頂くよう、院内でご検討頂ければと思っています。

 

 

 

 

 

2017年07月31日