揺らぐ交通事故統計の信頼性

警察が公表する各種の交通事故データ。

これらの情報は、交通事故対策の政策策定の重要なデータであるとともに、交通事故に関する科学的調査研究の基礎になるデータでもあり、交通事故対策を含む、自動車交通政策の合理性と信頼の根幹となります。

多くの関係者が、これらのデータは正確であり、かつ現状を正しく数値化した情報であると信じて、政策提案や学術研究を行っているのですが、

6月4日の衆議院内閣委員会において、交通事故の人身事故データの正当性について問題を提起する質問を行なわれました。

当会でも、かねてより問題視していたテーマであり、質疑の内容も非常に興味深いものでしたので、ご紹介したいと思います。

正式な議事録の開示までは、質疑の詳細は割愛しますが、概要としては、自賠責(損害保険料率算出機構の負傷者データ)と、交通事故統計(負傷事例)に、相当な乖離が生じているというものです。

警察庁では、危険運転致死傷の可能性のある重大交通事故捜査の強化と合わせて、軽微な事故の捜査簡略化を進めていることもあり、今後、交通事故の実態についての情報公開に疑問を抱かざるを得ません。

 

また、第11次交通安全基本計画においても、数値目標についての恣意的変更との疑問も呈されています。

交通事故統計の恣意的な取り扱いは、自動車交通にかかわるすべての事業、取り組みの根底を覆す事態であり、決して見逃されるべきではないと考えます。

なお、当会では、かねてより、警察が保有する物損事故データベースのデータ開示を求めています。

by 理事長
2021年06月05日