身障者用自動車を本人以外が運転する場合の注意事項
理事長の佐藤でございます。
近年、ガソリンスタンドやカー用品店、自動車販売店等において、身障運転者用に改造された自動車を、本人以外のスタッフ等が運転し、衝突事故が起きるなどの問題が当会へ報告されています。
例えば以下のような場面で起きています。
- ガソリンスタンドの洗車機へスタッフが運転を交代して移動させたところ、機器の仕組みを知らずに暴走させた。
- カー用品店でオイル交換を依頼され、駐車場から作業ピットまでスタッフが運転して車両を移動させたところ、興味本位で特殊改造装置を使用して運転し衝突。
- 自動車販売店で、顧客車両の整備を依頼され、整備場所までスタッフが運転して車を移動させたところ、アクセルとブレーキを踏み間違えて衝突。
その他にも、上記事業者以外の「家族」や「友人」などが本人に代わって運転し、事故を起こすことも少なからず発生しています。
これらのことを踏まえて、以下の内容の注意喚起を行います。
■当事者向け注意喚起
- ①上記店舗などでスタッフが運転を代わる場面においては、車の改造の有無や運転の際の注意事項などを必ずスタッフに直接伝えましょう。
- ②上記店舗などでスタッフが運転を代わる場面においては、出来るだけ交代を拒否し「ご自身で運転」して車を移動させましょう。
- ③洗車や整備といった作業を行う店舗は、出来るだけ1店に限定し、顔見知りになる。車の特殊性を了解してくれている。等を確保しましょう。
特に、初心ドライバーや運転再開から間もないドライバーが被害に遭っています。
■事業者向け注意喚起
ガソリンスタンドや自動車販売店、カー用品店等の皆様におかれましては、以下のような注意喚起をさせて頂きます。
- ①クローバーマークが貼付された車両は「手動アクセル・ブレーキ装置」や「左アクセル装置」その他身体障害に合わせた特殊な改造が行われています。クローバマーク貼付の車両が入庫され、車両の移動が必要となった場合は、当該車両のドライバーに対して、「装置の種類や運転の際の注意点」を必ず確認の上、運転を交代してください。
- ②クローバーマークは任意貼付ですので、必ずしも全員が貼付しているわけではありません。ドライバーが降車した際に、「車いすを使っている」「杖をついている」などを見かけた際には、①と同様の声掛けをお願いいたします。
- ③特殊装置付き福祉車両の店舗内車両移動については、「ドライバー本人に移動してもらう」「必ずスタッフが移動させる」等の意思統一を推奨いたします。
- ④特殊な改造を行った車両をスタッフが運転する際は「当該特殊装置」を使って絶対に運転しないでください。これらの車両であっても、必ず通常のペダル操作が可能(法律上)となっています。
なお、身障者用自動車全体や、クローバーマーク貼付車両全般の受け入れを取りやめる等の措置は「障害者差別禁止法の合理的配慮規定」に抵触すると当会は考えておりますので十分ご配慮くださいますよう、事業者の皆様へはお願いを申し上げます。
*障害者差別解消法についての詳細はこちらからご確認いただけます。
by 理事長