コミュニケーション障害と自動車免許更新

 理事長の佐藤でございます。

 

以前にもブログで書きましたが、現在においても交通事故時の救護義務(警察や消防への通報)を果たせないという理由で「運転不可」の診断をされた、という相談が当事者よりありましたので、改めて確認したいと思います。

 

言語障害があることで、交通事故時の救護義務(通報義務)を果たせないため、診断書提出対象者に対して運転不可の診断を行う医療機関があるようですが、

単にコミュニケーションに障害があるということで運転不可の診断を行うことは間違っていますので注意が必要です。

現在、電話などでの通話が出来ない程度の聴覚障害でも免許は取得できますし、2種免許を取得して事業用自動車を運転している人さえいます。

従って、電話で話が出来るかどうかは免許の可否判断と関係ありません。

 

さらに、かねてより各都道府県警察では「メール110番」というシステムを持っており、音声通話が出来ない方向けの通報システムを持っています。

東京都と大阪府では、専用のスマホアプリによるチャットにより110番通報できるシステムも持っており、このシステムは昨年から順次全国へ展開中です。

 

このように、10年前では当たり前に行われてきた、言語障害の免許可否判断は、時とともに変化してきましたし、他の可否判断要素についても、時代の変化に伴って変化しています。常に最新の情報を入手し、古い情報だけを頼りにせず、評価者自らが常に考える姿勢を持つことが大切です。

 

なお、私の経験の範囲ですが、言語障害には単に言葉が出にくいという面だけでなく、言葉の意味をよく理解できない、という状態もあるようで、例えば右左の意味を理解できないや、止まるや走るといった、運転中によく使う言葉の意味が理解できない方がいるようです。このような方に対しては、身振りなどで合図を送ると正しく理解してもらえることが多いですので、そのような状態であることを本人や家族に十分伝えたうえで、本人の自覚や家族の協力を得られるか?また、医学的には今後の回復の可能性について、十分検討することが大切です。

 

by 理事長
2019年08月24日