[追記] 半側空間無視と運転可否判断

 理事長の佐藤でございます。

先日公開したブログに書き忘れたことがありましたので改めて追記させて頂きます。

それは何かというと、半側空間無視の影響が現れる運転行動として書いた4つの事例について、

実は半側空間無視ではなく別の要因で同じような運転行動が現れることがあるのです。

この点は実車評価などでも十分注意して評価を行わないと、半側空間無視ではないのに無視があると評価してしまうことになりかねません。

 

まず①②③については、ドライバーの筋力の低下によっても同じような行動が現れることがあります。長期入院の影響や、座位保持不良によるハンドルへの操作力の伝達不良などです。

①②③については、もう一点。右麻痺に多いですが、病前に使ったことの無い左手一本でハンドルを操作することから「慣れていない」ことが影響する場合があります。普段私たちは右手一本でハンドルを操作することは経験している人が多いと思いますが、左手一本でハンドルを操作したことはほとんど一度もないはずです。

また、①②③共通で、旋回グリップを使用している場合は、旋回グリップを外した状態でもう一度試してみて、同じ運転行動が再現するか確かめましょう。旋回グリップというのは、見た目と違って、かなり、慣れが必要な使いにくい道具です。

 

③方向変換などで、操作がおぼつかない、何度も切り返す、ポールに接触するなどのケースは少なくありませんが、車庫入れ下手=空間認識?と考えるのは早計です。

特に座位保持に不安のある片麻痺、脊髄損傷のドライバーは、車庫入れ時に体をねじって後方を見ることに不安を感じます。体が助手席側に倒れてしまう予感がするからです。実際に体を助手席側にねじると、助手席側に倒れる人もたくさんいます。したがって、これらの人たちは、車両両側のサイドミラーを使って車庫入れをしようとします。

しかし、病前には体をねじって直接後部を確認しながら車庫入れしていた人が、急にサイドミラーだけで車庫入れするのはほとんど不可能です。

車庫入れでまごついたりしたときは、ドライバーがどのような体勢でバックしていたのか?また健常な頃はどのようにバックしていたか?確認が必要です。バックが下手=空間認識異常と短絡的に見るのは危険です。

 

④の場合は、健常な頃に乗っていた自家用車と違う車種で評価するときには現れやすいです。そのあたりの確認もした上で評価を行うとよいでしょう。

 

by 理事長
2019年08月26日