服薬と自動車運転

薬には効用とともに副作用があることはご存知の通りです。

副作用の中には、意識障害やめまい、急な眠気など、安全な自動車運転が出来ないおそれのあるものも多数あります。

平成26年の道路交通法改正では、薬の影響による交通事故に「危険運転致死傷罪」が適用されることになり、

平成26年中に12件の交通事故で薬の影響での危険運転致死傷罪での起訴が行われています。

医療機関や薬局においても、平成25年に発せられた厚労省の通知によって、運転等の禁止の成分が含まれている医薬品の服用について、患者へ対して周知を徹底するよう要請されており、現在では医師や薬剤師から、運転禁止の医薬品の処方の際には、「運転してはいけないこと」を必ず告知されています。

薬の影響による急な眠気などは、いわゆる一般的な眠気とは異なり、車を停車させる間もなく襲われる眠気であり、実際に事故を起こした方の話しによると、「事故前には疲れている感覚はあったが、眠いとは感じなかった。事故時の記憶はまったく無かった」と言います。

薬の副作用は、当日の体調や食事との組み合わせなどによって、非常に強く現れることがあり、「今までは大丈夫だった」という経験がまったく役に立ちません。

医師や薬剤師から運転は禁止するように注意受けた薬を飲んで、自動車を運転することは、無責任であり、自己中心的であり、絶対にすべきではありません。

服薬と免許制度

自動車免許制度に関して、運転を控えるよう表示がある医薬品の服用が理由で、免許停止や取消しになることはありませんが、医師の診断書を求められた場合、医師は、運転の可否を評価するにあたって、患者の服用の状況についても勘案されます。

例えば、身体能力や認知機能が運転可の状態であっても、運転禁止の医薬品を服用している方は、医師から運転可の診断を受けることはできない可能性が高いといわれています。

医師や薬剤師から運転を控えるよう助言を受けている人が、服薬の副作用が原因での意識障害や意識消失が起き、事故を起こした場合は危険運転致死傷罪が適用されます。(最高懲役15年)

運転不可とされている薬

 運転禁止の対象となる薬品については、2,707種類を超えるとも言われており、処方薬に限らず市販薬も含まれています。

運転等に影響を与える主な薬剤としては、消炎鎮痛剤 疼痛治療剤 抗うつ剤 抗ヒスタミン剤 鎮痙・鎮痛剤 散瞳点眼薬 睡眠薬・抗不安薬 抗てんかん薬 抗ガン剤 抗パーキンソン病薬 抗真菌剤 禁煙補助薬などがあります。

特に、身体障害や脳疾患の場合は、体の麻痺の痛みや痺れを緩和する薬や、脳卒中などの治療、血圧を調整などに使う薬の多くが対象となっているそうですので、必ず医師や薬剤師からアドバイスを受けてください。

*PMDA(医薬品医療機器総合機構)に登録されている医療用医薬品18000種類中2707種類(全体の25%が運転禁止、又は注意に該当する医薬品)

■肢体不自由の方が退院後にも服薬することのある運転禁止薬品
消炎鎮痛剤
疼痛治療剤
鎮痙薬
睡眠薬・抗不安薬
抗うつ薬

■高次脳機能障害の方が退院後にも服用することのある運転禁止薬品
抗精神病薬
抗てんかん薬
睡眠薬
降圧剤
抗パーキンソン薬

上記のように、退院後も飲み続けている薬がある場合は、運転禁止の可能性がありますので、必ず医師に相談しましょう。

薬の変更を申し出る

運転禁止の成分の入っている薬を飲んでいるが、どうしても運転する必要がある場合、同様の効果がある他種の薬へ変更可能かどうか?医師や薬剤師に相談しましょう。

変更可能な選択肢がある場合があります。